生活

2016年11月30日(水)

この記事を書いた人: Yosh Yosh

AIでどうなる!? 10年後の仕事②

sugitaです。

前回の記事では、そもそもAIとは?という素朴な疑問について書きました。
→前回記事:AIでどうなる!? 10年後の仕事①
今回は、AIによって私たちの仕事がどう変わるのかについて考えてみます。

様々な分野に進出するAI

AIは、人間の「考える」という仕事を機械で支援するものです。しかし、AIの性能が高まっていくにつれ、私たちの仕事の一部を、AIが代替するようになってきています。

前回の記事では、自動運転の技術を取り上げました。2020年のオリンピックでも、自動運転型のタクシーの導入が検討されています。また、すでに一部の電車や地下鉄では、自動運転が導入されています。自動車の自動運転の技術も、まだ試験段階ですが、大手メーカーで開発が進んでいます。

また、最近話題のIoTは、定期的なメンテナンスが必要な工場や橋などを、離れた場所からAIに管理させます。AIはセンサーで感知した情報を集め、異常が起きる前にそれを察知します。

私の仕事分野であるインターネットの世界でも、AIの導入が進んでいます。たとえば、Amazonでおすすめ商品を提案してくれるのはAIですし、GoogleMapの渋滞情報を表示してくれるのもAIです。

金融の世界では、マネーゲームと揶揄されることもありますが、AIによる株の自動取引等は一般化しています。

さらには、サービス業界にもAIは進出し始めています。長崎県ハウステンボスにあるホテル、その名も「変なホテル」では、ロボットの従業員が接客してくれるようです。
(参考:エネルギー、ロボット、植物工場が H.I.S. の未来を支える中核事業である

極め付けは、芸術へのAIの進出でしょう。AIに絵を描かせるのはもちろんのこと、小説を書かせたり、作曲させたりする試みもあります。
(参考:バッハの才能すら模倣!人工知能はあらゆる職業を脅かす

このように、AIは事務所や工場の中だけでなく、サービス業も含めた様々な分野に進出しています。

AIにはできない仕事

しかし、AIは万能ではないと思います。

なぜなら、AIの仕事に価値があるかを決めるのは、あくまでも人間だからです。

たとえば、AIによる自動運転。AIの発達によって安全性は向上していくでしょうが、そもそも「安全運転」という価値を知っているのは、人間です。
電車の運転手が「自分たちが最後の砦だ」と肝に銘じて運転されていることの重みを、見過ごすべきではないと思います。

インターネットのウェブサイト制作も、一定の型はすでに知られていますが、そのデザインやサイトの構成は、お客様の目的や、閲覧対象者の感じる価値観を十分に反映させなければ、作ることはできません。

金融の世界にもAIは大いに進出していますが、AIは、社長の熱意や使命感、事業の将来性を判断することはできません。なぜなら、AIは過去の情報の蓄積から判断することしかできないからです。スティーブ・ジョブズがアップルを起業したとき、もしAIが融資額を判断していたら、おそらくスマートフォンは生まれなかったでしょう。

サービス業へのAIの進展についても、たとえばケーキを規則正しく並べたりするような、正確さが求められる場面では、AIが活躍するかもしれません。しかし、お客様を心からおもてなししたり、ちょっとした気遣いをしたりするのは、これからも人間しかできないでしょう。

また、仮にAIが、バッハのような曲をつくったとしても、AIはあくまでも、バッハの曲のパターンから作曲するしかありません。だから、なぜそのような曲になったのか、といった感情的な部分が抜け落ちてしまいます。これでは、クラシック愛好家たちも満足できないでしょう。

言い換えれば、「心のこもった」仕事は、これからも人間がやり続けることになるはずです。
それぞれの職業が生み出す真の「価値」は、結局のところ、人間しか生み出せないからです。

たとえば、電車の運転手が「自分の家族を乗せている」と思って運転するのと、AIがただ機械的に運転するのとでは、安全の信頼度が異なるはずです。
このように、その職業で求められるもっとも根幹の価値の部分については、これからも人間が担うことになるでしょう。

同時に、それぞれの職業の中で「何がもっとも本質的なのか」ということが問われるようになり、それにどれだけ応えることができるかによって、給料の額が変わってくるようになると思います。

ここ数百年の間、便利な機械が登場してきたことによって、私たちは、仕事を奪われ貧しくなったでしょうか?
確かに、機械に代替された仕事は数多くあります。一方で、私たちはより人間らしい仕事ができるようになりました。
かつて、マルクスが資本主義を批判したとき、労働環境はそれはそれは劣悪なものだったといいます。しかし、その後の生産技術の進歩によって、徐々に単調で面倒な仕事を機械がやってくれるようになり、生産物のデザインや企画立案のような、より付加価値の高い仕事ができるようになりました。
機械類が増えたことで私たちの生活が貧しくなったかといえば、むしろ圧倒的に豊かになったといえるでしょう。
同じように、AIによって単調で面倒なことを考える手間が省かれ、より人間的な社会を実現できるようになるかもしれません。

私たちの仕事や生き方の本質は何か?―――AIの進歩は、こうした根源的な問いに答えるように迫るのではないでしょうか。

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